農薬とは?
農薬とは、農作物を害する病気や虫、雑草から守るために使われる薬剤や資材のことです。
化学物質を合成してつくられる「化学農薬」だけでなく、天敵や微生物などの「生物農薬」など様々な種類が存在します。
農薬の役割
現在、世界人口は80億人を超え、今後もさらに増え続けることが予想され、人々が生きていくために必要な食料も増え続けています。
その一方で、作物がとれる土地の面積(収穫面積)を増やすのには限界があります。
そのため、限られた農地の中で効率的に、かつ安定的に作物を収穫するためには、
害虫、病害、雑草などの外敵から作物を守る作物保護の技術を発展させることが必要不可欠となります。
防除の方法は様々ありますが、中でも化学農薬は世界的に増大する食糧需要に答えるため、非常に大きな役割を果たしています。
-
( 01 )
食料の安定生産に貢献しています。
農作物は、単一の植物を密集した条件で栽培したものであることから、ひとたび病害虫が発生すると瞬く間に被害が拡大してしまいます。また、雑草は病害虫の温床になり得るほか、農作物と栄養分を競合する存在でもあります。このため農薬を使わずに農作物を栽培すると、収量が減少し、さらに収穫物の品質も低下してしまいます。農作物の収量を安定させること、出荷規格に準じた高品質な農作物を生産し続けることは農業生産者にとって重要な課題です。農作物を安定的に生産するためには、病害虫や雑草から農作物を守るための対策(防除)が必要不可欠であり、農薬は大きな役割を果たしています。
農薬を使わないときの
作物の収穫量が減る割合
出典:一般社団法人 日本植物防疫協会
-
( 02 )
農作業の効率化と作業時間の軽減
農薬は農作業の時間を短縮し、農業の効率化に大きく貢献する重要な資材の一つです。かつて農作業は「日の出から日没まで」続く大変な重労働でした。中でも最も過酷な作業の一つが草取り(除草)であり、日本人の主食であるお米づくり(水稲栽培)において、農薬が登場する前と現在を比較すると、除草に係る時間は50分の1にまで軽減されました。こと日本においては農業就業者の減少や高齢化という深刻な問題の中で、農業の効率化は持続的な食糧生産のために不可欠です。より使いやすく効果的な農薬を開発することは、食のインフラを守る上でも非常に重要です。
水稲栽培における除草にかかる時間の変遷
出典:農林水産省「農作物生産費統計」
農薬の安全性
化学農薬は、その使用者や消費者にとって十分に安全でなければなりません。
また、環境への影響も最小限であることが求められます。
農薬メーカーは、製品の開発から上市までの過程において、
経済協力開発機構(OECD)などの国際的組織で認められた最新の試験方法や試験施設に関する基準(GLP制度)に従い、
毒性、作物への残留、環境への影響等に関する様々な試験成績に基づき、安全性の評価を確認しています。
そして、日本国内においては農林水産省、消費者庁、環境省、内閣府食品安全委員会等多くの省庁の専門家によって厳しく審査され、
すべての項目で安全性が確認された農薬だけが世の中に提供されています。
農薬取締法によって定められた正しい使用方法を守って使用する限り、人畜にも環境にも安全であることが科学的に担保されているのです。
農薬登録申請のため、
膨大な試験データを集積しています
「農薬」という言葉を聞くと無意識に健康や環境に悪いもの、というイメージを持つかもしれません。
しかし、安全で高品質な食糧を安定的に供給し続けるためには欠かすことのできない重要な資材です。
私たち農薬メーカーは、日本と世界の食卓の「安心」を守るために、幅広い分野の科学を活用してより効果が優れ、
人畜や環境に対し安全で、経済性の高い農薬を世に提供できるよう努めてまいります。
農薬は私たちの生活に深く結びついている業界です。
ぜひ、この面白い世界に飛び込んでみませんか?

