ピタイチの特長

<特長1> いちごのハダニ類、アブラムシ類、アザミウマ類、うどんこ病に対して効果があります。

ピタイチ物理的に作用するため、薬剤抵抗性・耐性が発達しやすいこれらの病害虫に対しても効果的に使用できます。
使用回数に制限がなく、収穫前日まで使用できます。
他の化学合成農薬と混用して使いやすく、抵抗性、耐性発達リスクの回避にお役に立ちます。(2023年9月現在、アザミウマ類に登録を持つ気門封鎖剤はピタイチのみ。)

 

 

物理的に作用とは?
虫の呼吸する穴(気門)をふさぐことで物理的に窒息死させてしまうことです。

 

 

<気門封鎖剤の効き方のイメージ>

 

   気門封鎖剤の効き方 ハダニ

 

 

こういった特徴からピタイチは気門封鎖剤とも呼ばれており、石油を有効成分とする機械油乳剤や、食品を有効成分とするエコピタ液剤、食品添加物を有効成分とするピタイチなど、有効成分は薬剤によって様々です。

 

 

ちなみに、ピタイチの有効成分である食品添加物とは具体的には『グリセリンクエン酸脂肪酸エステル』で、洋菓子・パン・マーガリン・チョコレート・ガム・乳製品などの食品の乳化剤として使用されます。このように、ピタイチは私たちの生活においても身近なものが有効成分となって作られています。

 

<特長2>ハダニ類に効果が高く、殺卵効果もあります。

物理的に作用しますので、薬剤抵抗性が発達したハダニ類にも効果を発揮します。
また、ハダニ類の卵~成虫までのすべてのステージに対して活性があります。

<特長3>天敵や有用昆虫に対する影響が少ないです。

チリカブリダニ、ミヤコカブリダニ、コレマンアブラバチ、アカメガシワクダアザミウマに対して影響が少ないことを確認しています。
天敵類の放飼前だけでなく放飼中にもお使いいただけます。

 

★ミツバチやマルハナバチはピタイチ散布後、植物体が乾けば放飼できます。

★有効成分による影響はほとんどありませんが、薬液で水没したり流されてしまう可能性があるため、天敵放飼直後の散布は避けてください。

 

いちごの主要な病害虫とその被害

<病害虫1> うどんこ病

カビ(糸状菌)が引き起こす病害で、葉や果実にうどん粉を塗したような症状を引き起こすのがその名の由来です。白い粉のように見えるのが胞子(病気の種)で、胞子の生産量が非常に多く、急激に拡がります。乾燥条件で胞子が飛散しやすくなるため、湿度管理にも注意が必要です。
発病するとまず、葉裏に白色の菌叢を生じ、次第に葉柄や果梗、つぼみ、果実に拡がります。
多発すると、葉が上向きに巻いてスプーン状になります。
蕾に発生すると、花弁が紫紅色に変わります。

  • うどんこ病の発病葉

    発病葉

  • うどんこ病の発病果梗

    発病果梗

  • うどんこ病の発病花

    発病花

果実に発生すると商品価値が低下し出荷できなくなるため、収量に大きく影響します。

  • うどんこ病の発病果

    発病果

防除のポイント

  • うどんこ病は50%程度の比較的低い湿度でも発病するため、密植や過繁茂させず、日当たりや風通しを良くしましょう。
  • 発病部位は伝染源となるため、見つけ次第すぐに取り除きましょう。
  • 草勢が衰えると多発しやすいため、施肥管理にも注意しましょう。

<病害虫2> ハダニ類

イチゴで主に問題になるのはナミハダニ、カンザワハダニの2種類です。
卵:0.1mm、幼虫の体長:約0.2mm、成虫の体長:0.5mm前後ととても小さいため、
肉眼では発生に気づきにくい害虫です。
雌一頭が産む卵の数は100~150個ととても多く、25℃条件下で卵~成虫まで成長するのにかかる期間は
わずか1週間ほどと繁殖力が非常に強いので注意が必要です。

  • ナミハダニの卵

    ナミハダニ 卵

  • ナミハダニの幼虫

    ナミハダニ 幼虫

  • ナミハダニの成虫

    ナミハダニ 成虫

ハダニの被害葉

被害初期と多発時の葉の様子

 

葉裏からの吸汁被害が主で、初期は白いかすり状の斑点が生じます。
多発すると葉の褐変や委縮などいちごの生育が不良になり品質や収量に影響を及ぼします。
また、ハダニが吐き出す糸によってクモの巣状に覆われるほどひどくなった場合、枯死することもあります。

防除のポイント

  • ハダニは小さく発見しにくい害虫ですのでよく観察しましょう。
  • 発生の初期は下葉の葉裏にいることが多いので、薬剤散布の際には、葉裏にまでしっかりとかかるよう丁寧にまきましょう。
  • ハダニの増殖源ともなるため、新葉の展開に伴って下葉を除去することも防除においてはとても有効です。
  • 株間の移動は比較的ゆっくりなため、発生のあった株に目印とつけておくと薬剤の効果を確認しやすく便利です。
  • 圃場が乾燥すると多発する傾向にあるので湿度管理に注意しましょう。

<病害虫3> アブラムシ類

イチゴで主に問題になるのはワタアブラムシ、イチゴケナガアブラムシです。
加害する場所は葉、葉柄、新芽です。

ワタアブラムシ

ワタアブラムシとそのコロニー

体長は種にもよりますが、だいたい1.2~2mmほどです。
雌だけで仔を産むことができるため、繁殖能力が高く、茎葉に大きなコロニーを形成します。
交尾せず産んだ仔は、クローンのため、親の性質(薬剤の感受性など)が引き継がれます。
葉裏や葉柄の吸汁による被害のほか、新芽に寄生すると葉を巻いたり萎縮して生育に影響を与えます。
また、排せつ物がすす病の発生の原因となり、葉や果実を汚したり、株の生育不良に繋がります。

防除のポイント

  • アブラムシも葉裏を好むため、薬剤散布は丁寧に行いましょう。
  • 甘露(排泄物)で葉がテカテカしているところは集団で寄生しているので注意しましょう。
  • アブラムシも大きく移動しないので(翅の生えた成虫を除く)、発生場所に目印をつけると効果を確認しやすいです。

 

<病害虫4> アザミウマ類

イチゴで主に問題になるのはミカンキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマです。

加害する場所は花弁、がく、果実です。

ヒラズハナアザミウマの幼虫と成虫
体長は1.2mm前後です。
目を凝らすと細い点のように見えますが、花の中に隠れていることが多いため気づきにくいです。花に軽く息を吹きかけると、花の奥からもぞもぞと這い出して来るので見つけやすくなります。

 

いちごのアザミウマの被害

開花期は花に寄生し、花弁やがくを食害します。
がくの食害は、その後の果実肥大に影響するため被害が大きいです。
果実肥大期は果実表面を食害するため、褐変が生じます。

 

防除のポイント

  • 成虫は風に乗って移動しやすく、日中側窓を開放する時期は飛び込みが多くなるので注意が必要です。
  • 花の奥に隠れる以外に、土中で蛹になる性質もあるので薬剤がかかりにくいことも難防除の要因です。
  • 発生が多い場合は、残効を考慮に入れた散布計画を立てましょう。

ピタイチの効果

ハダニの場合

ハダニの多発生状況においても連続散布することで密度を抑えることが確認されています。

ピタイチは散布液が直接病害虫にかからないと効果が発揮されないため、多発生条件下では再度発生が増えだす
5~7日後を目安に2回目、3回目と連続で散布することでハダニの密度を抑制し続けることが可能です。

連続散布によりナミハダニに高い密度抑制効果を確認!

何もしないと手に負えなくなるほど増えるハダニですが、ピタイチを繰り返し散布することで
密度をしっかり抑えられます!

アザミウマの場合

ピタイチは気門封鎖剤の中で唯一アザミウマ類に登録があります。(2024年4月現在)
アザミウマ類は花やガク、花托の隙間を好んで潜んでいますので、薬液がしっかり届くように たっぷりと散布することがおすすめです。
散布後、もがきながら歩き回り、そのまま死亡するものや、いちごから脱落するものが見られます。
直接の殺虫効果が高いものではありませんが、7日間隔の連続散布で密度を抑制する効果があります。
一部の殺虫剤と混用で効果が安定する事例も認められておりますので、抵抗性マネージメントにご活用ください。

散布後の様子を収めた動画をどうぞ。

 

高画質でご覧になりたい方はこちらからどうぞ!

 

ピタイチの上手な使い方

いちごでのピタイチ散布適期(天敵導入体系例)

ピタイチの使い方

〇散布液が直接病害虫にかからないと効果がないため、病害虫むらなく薬液がかかるよう葉裏までていねいに散布してください。
〇病害虫の発生初期に散布してください。
〇病害虫の増殖や圃場外からの飛び込みが活発なときには、5~7日間隔での連続散布を行ってください。
〇本剤のカブリダニへの影響は小さいため併用可能です。しかし、薬液により水没したり、流されたりする可能性があるため、カブリダニが十分増殖してから散布するようにしてください。
アザミウマ類の防除を主体とする際には、化学薬剤との混用散布をおすすめします。

↓↓↓ いちご専用気門封鎖剤『ピタイチ』についてYouTubeでも紹介しています♪ぜひご覧ください ↓↓↓

 

 

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★ピタイチはJA全農イチゴハダニゼロプロジェクトの採用品目です