これからの農業は省力化を考えることが大切
平井 金弘 さま
秋田犬のふるさとで
農家の長男として生まれ、迷うことなく農業の世界に飛び込んだ。
秋田県の最北に位置し、世界的に人気の高い秋田犬発祥の地として知られる大舘市。2005年(平成17年)に田代町、比内町合併し、面積が倍増した。
日本三大地鶏の一つに数えられる比内地鶏、GI(地理的表示保護制度)を取得した大舘とんぶり、山の芋(つくね芋)、枝豆など多くの名産品がある中、稲作も盛んだ。水稲の作付面積は約3780ヘクタール。あきたこまちを中心に、めんこいな、ちほみのり、五百川なども作っている。
この地に暮らす平井金弘さん(55歳)は農業高校を卒業後、そのまま就農した。もともと農家の長男として生まれたこともあり、中学生のときには進路を決めていたという。現在、あきたこまちを5ヘクタール、めんこいなを4ヘクタール、他に枝豆と山の芋も栽培している。
いち早くドローンを導入
5~6人でやっていた作業が夫婦2人だけでできるように。
農業を始めて35年以上になるが、キャリアを重ねるほど毎年同じようにはいかないということを実感する。
「来年うまくいっても、同じやり方が今年も通用するとは限らない。本当に一年一年が勉強ですよ」
苦労も多い米作りだが、稲が着実に成長し、秋に穂をつけたときには他では味わえない喜びがある。特に平井さんが心がけているのは雑草防除の徹底だ。
両親が高齢化して働くのが難しくなってきた2017年(平成29年)にドローンを購入。除草剤の散布などに使っている。近隣でドローンを持つ農家も増えてきたが、平井さんの導入はかなり早いほうだった。お蔭で作業はとても楽になったという。
「それまでは除草剤をまくのに5~6人必要だったのが、ドローンを使えば夫婦2人だけでできますからね。それに必要なタイミングを逃さずに作業できることも大きいです。高齢化で離農する人も多く、人手が減っていく中で作付面積は増えていく。これからはますます省力化を考えていかなければいけません」
悩んでいたノビエに効いた
JAの担当者に相談し、『アッパレZ』を使用。期待以上の効果だった。
除草剤は2018年(平成30年)から『アッパレZ』の1キロ粒剤を使っている。ノビエの発生に悩み、JAあきた北・営農経営支援部の本多孝平さんに相談して勧められたのがきっかけだった。
最初に半分を田植同時処理で使い、残り半分をドローンで使うというのが平井さんのやり方だ。
田植から2週間以内を目安にまいていくという。
「本多さんが言った通り、ノビエによく効いて全然出なくなった。ホタルイにも効きましたね。気に入ったので、3年間使い続けています」