• 殺菌剤

バリダシン®液剤5

500㎖

関連資料

基本情報

種類名 バリダマイシン液剤
有効成分 バリダマイシンA 5.0%
RACコード
(作用機構分類)
殺菌剤分類 U18
登録番号 第17386号(住友化学登録)
毒性 普通物*
有効年限 5年
包装 500㎖×20
WCSマニュアル
掲載状況
未掲載

WCSマニュアルとは㈳日本草地畜産種子協会編「稲発酵粗飼料生産・給与技術マニュアル」を指します。

特長

  • バリダシンは、紋枯病防除剤で、兵庫県明石市の土壌から分離した放線菌(Streptomyces hygroscopicus var. limoneus)によって生産される抗生物質バリダマイシンを主成分としています。
  • 稲紋枯病をはじめとする、多くのリゾクトニア菌や、白絹病菌などの糸状菌(カビ)に対して優れた防除作用を発揮します。また、野菜・果樹の細菌性病害や稲「もみ枯細菌病」にも登録を取得しました。
  • バリダマイシンは稲紋枯病菌や類縁の菌、並びに細菌に特有の酵素(トレハラーゼ)の活性を阻害し、菌体内に貯えられた糖トレハロースをエネルギー源としてのグルコースへの変換を抑制することによって、効果を発揮するというユニークな作用機構を示します。
  • バリダマイシンを処理した植物体内では、抵抗性誘導に係る遺伝子の発現が観察されます。
    一方、バリダマイシンは、トレハロースを利用しない細菌性病害にも防除効果を示すことから、植物に対し、全身獲得抵抗性を誘導することが示唆されております。
  • (稲紋枯病)
    バリダマイシンは紋枯病菌の菌糸の生育を停滞させ、さらに病原性を喪失させます。また菌糸の一部に薬剤が付着すると同一菌糸上全面に薬効が波及するなど、特異的な作用を示します。従って病勢進展阻止力が特に強く、効果の持続性にも優れ、多発条件下でも優れた効果を発揮します。
  • (キャベツ:株腐病、レタス・非結球レタス:すそ枯病など)
    リゾクトニア菌や白絹病の菌糸に直接作用して速やかに効果を現しますので、病原菌が活動を始めた初期の散布または灌注により優れた防除効果を発揮します。
  • (にら)
    リゾクトニア菌が起因し夏期株養成期に発生します。下葉の黄化症状が認められたら直ちに株全体に十分量散布します。また、高温多湿条件下で多発生するので、降雨後、直ちに散布します。散布した茎葉部は必ず刈り取り、その後伸長してくる茎葉部を収穫します。
  • 細菌性病害

    (ばれいしょ)
    生育期茎葉散布で、青枯病に登録を有する唯一の薬剤です。
    初発前、病原細菌の密度が低い早めからの散布で、植物体内での青枯病菌の増殖を抑制し、発病・病勢の進展を遅延させ、収量の減少に歯止めをかけます。
    (もも・すもも)
    体内の病原細菌が増殖する萌芽初期からの早めの散布で、より優れた防除効果を発揮します。また、他剤とのローテーションによって菌量を低く抑えた中での散布も効果的です。
    (かんきつ・うめ)
    体内の病原細菌数が少ない感染初期からの散布で、病原細菌の増殖を抑制して防除効果を発揮します。
    また、他剤とのローテーション散布の一剤として、時期を選ばず散布可能です。
    (キャベツ・はくさい・レタス・非結球レタス・にんにく)
    葉内の病原細菌が増殖する結球初期よりやや早めの散布で、より優れた防除効果を発揮します。
    (たまねぎ)
    葉内の病原細菌量が増加する肥大期よりやや早めの散布で、より優れた防除効果を発揮します。
    (だいず・えだまめ)
    葉内の病原細菌数が少ない感染初期からの散布で、病原細菌の増殖を抑制して防除効果を発揮します。
    病原細菌は主に風雨によって葉に飛散し感染します。
  • 適用内容と使用法
  • 使用にあたって
作物名 適用病害虫名 希釈倍数 使用液量 使用時期 本剤の使用回数 使用方法 バリダマイシンを含む農薬の総使用回数

もも

せん孔細菌病 500倍 200~700L/10a 収穫7日前まで 4回以内 散布 4回以内
かんきつ かいよう病 500倍 200~700L/10a 収穫7日前まで 4回以内 散布 4回以内
うめ かいよう病 500倍 200~700L/10a 収穫7日前まで 4回以内 散布 4回以内
すもも 黒斑病 500倍 200~700L/10a 収穫3日前まで 4回以内 散布 4回以内
紋枯病 1000倍 60~150L/10a 収穫14日前まで 5回以内 散布 6回以内(育苗箱灌注は1回以内、本田では5回以内)
疑似紋枯症(赤色菌核病菌) 1000倍 60~150L/10a 収穫14日前まで 5回以内 散布 6回以内(育苗箱灌注は1回以内、本田では5回以内)
疑似紋枯症(褐色菌核病菌) 1000倍 60~150L/10a 収穫14日前まで 5回以内 散布 6回以内(育苗箱灌注は1回以内、本田では5回以内)
疑似紋枯症(褐色紋枯病菌) 1000倍 60~150L/10a 収穫14日前まで 5回以内 散布 6回以内(育苗箱灌注は1回以内、本田では5回以内)
もみ枯細菌病 1000倍 60~150L/10a 収穫14日前まで 5回以内 散布 6回以内(育苗箱灌注は1回以内、本田では5回以内)
紋枯病 300倍 25L/10a 収穫14日前まで 5回以内 散布 6回以内(育苗箱灌注は1回以内、本田では5回以内)
稲(箱育苗) 苗立枯病(白絹病菌) 1000倍 育苗箱(30×60×3cm、使用土壌約5L)1箱当り希釈液500ml は種時~発病初期 1回 灌注 6回以内(育苗箱灌注は1回以内、本田では5回以内)
稲(箱育苗) 苗立枯病(リゾクトニア菌) 1000倍 育苗箱(30×60×3cm、使用土壌約5L)1箱当り希釈液500ml は種時~発病初期 1回 灌注 6回以内(育苗箱灌注は1回以内、本田では5回以内)
ばれいしょ 黒あざ病 200倍 貯蔵前又は植付前 1回 瞬時~10分間種いも浸漬 7回以内(種いもへの処理は1回以内、植付後は6回以内)
ばれいしょ 黒あざ病 200倍 種いも100kg当り2.5~3L 貯蔵前又は植付前 1回 種いも散布 7回以内(種いもへの処理は1回以内、植付後は6回以内)
ばれいしょ 黒あざ病 10倍 種いも100kg当り200~300ml 植付前 1回 種いも散布 7回以内(種いもへの処理は1回以内、植付後は6回以内)
ばれいしょ 青枯病 500倍 100~300L/10a 収穫3日前まで 6回以内 散布 7回以内(種いもへの処理は1回以内、植付後は6回以内)
ばれいしょ 軟腐病 500倍 100~300L/10a 収穫3日前まで 6回以内 散布 7回以内(種いもへの処理は1回以内、植付後は6回以内)
きゅうり 苗立枯病(リゾクトニア菌) 800倍 3L/㎡ は種直後 1回 灌注 1回
キャベツ 株腐病 800倍 100~300L/10a 収穫7日前まで 5回以内 散布 5回以内
キャベツ 黒腐病 800倍 100~300L/10a 収穫7日前まで 5回以内 散布 5回以内
キャベツ 軟腐病 800倍 100~300L/10a 収穫7日前まで 5回以内 散布 5回以内
ブロッコリー 黒腐病 800倍 100~300L/10a 収穫前日まで 3回以内 散布 3回以内
ブロッコリー 軟腐病 800倍 100~300L/10a 収穫前日まで 3回以内 散布 3回以内
はくさい 軟腐病 500倍 100~300L/10a 収穫3日前まで 3回以内 散布 3回以内
はくさい 黒斑細菌病 500倍 100~300L/10a 収穫3日前まで 3回以内 散布 3回以内
だいこん 軟腐病 500倍 100~300L/10a 収穫7日前まで 4回以内 散布 4回以内
たまねぎ 腐敗病 500倍 100~300L/10a 収穫3日前まで 5回以内 散布 5回以内
たまねぎ 軟腐病 500倍 100~300L/10a 収穫3日前まで 5回以内 散布 5回以内
レタス すそ枯病 800倍 100~300L/10a 収穫前日まで 3回以内 散布 3回以内
レタス 腐敗病 800倍 100~300L/10a 収穫前日まで 3回以内 散布 3回以内
レタス 軟腐病 800倍 100~300L/10a 収穫前日まで 3回以内 散布 3回以内
非結球レタス すそ枯病 800倍 100~300L/10a 収穫3日前まで 3回以内 散布 3回以内
非結球レタス 腐敗病 800倍 100~300L/10a 収穫3日前まで 3回以内 散布 3回以内
非結球レタス 軟腐病 800倍 100~300L/10a 収穫3日前まで 3回以内 散布 3回以内
未成熟とうもろこし 紋枯病 1000倍 100~300L/10a 収穫7日前まで 3回以内 散布 3回以内
しょうが 紋枯病 800倍 100~300L/10a 収穫14日前まで 4回以内 散布 4回以内
みつば 立枯病 800倍 100~300L/10a 育苗期 1回 散布 4回以内(育苗期は1回以内、移植後は3回以内)
みつば 立枯病 800倍 100~300L/10a 移植後 但し 収穫7日前まで、伏せ込み栽培は伏せ込み前まで 3回以内 散布 4回以内(育苗期は1回以内、移植後は3回以内)
にんにく 春腐病 800倍 100~300L/10a 収穫3日前まで 5回以内 散布 5回以内
ふき 白絹病 800倍 3L/㎡ 収穫7日前まで 5回以内 灌注 5回以内(種茎浸漬は1回以内)
ふき 白絹病 800倍 植付時 1回 30分間種茎浸漬 5回以内(種茎浸漬は1回以内)
ふき(ふきのとう) 白絹病 800倍 植付時 1回 30分間種茎浸漬 6回以内(種茎浸漬は1回以内、灌注は5回以内)
ふき(ふきのとう) 白絹病 800倍 3L/㎡ 収穫30日前まで 5回以内 灌注 6回以内(種茎浸漬は1回以内、灌注は5回以内)
にら 葉腐病 800倍 100~300L/10a 刈揃え前まで 3回以内 散布 3回以内
にら 白絹病 800倍 100~300L/10a 刈揃え前まで 3回以内 散布 3回以内
てんさい 苗立枯病(リゾクトニア菌) 400倍 3~6L/㎡ 育苗中期 1回 灌注 1回
だいず 葉焼病 500倍 100~300L/10a 収穫7日前まで 3回以内 散布 3回以内
えだまめ 葉焼病 500倍 100~300L/10a 収穫7日前まで 3回以内 散布 3回以内
ねぎ 苗立枯病(リゾクトニア菌) 400倍 6L/㎡ は種時 1回 灌注 3回以内(は種時の灌注は1回以内、散布及び株元散布は合計2回以内)
ねぎ 軟腐病 500倍 100~300L/10a 収穫前日まで 2回以内 散布 3回以内(は種時の灌注は1回以内、散布及び株元散布は合計2回以内)
ねぎ 白絹病 500倍 100~300L/10a 収穫前日まで 2回以内 株元散布 3回以内(は種時の灌注は1回以内、散布及び株元散布は合計2回以内)
はぼたん 黒腐病 800倍 100~300L/10a 発病初期 8回以内 散布 8回以内
西洋芝(ベントグラス) 葉腐病(ブラウンパッチ) 1000倍 1L/㎡ 発病初期 8回以内 散布 8回以内
西洋芝(ベントグラス) 葉腐病(ブラウンパッチ) 500倍 0.5~1L/㎡ 発病初期 8回以内 散布 8回以内
日本芝 葉腐病(ラージパッチ) 500倍 0.5~1L/㎡ 発病初期 8回以内 散布 8回以内

使用上の注意

  • ボルドー液との混用はさけてください。
  • 稲の苗立枯病に使用する場合、白絹病菌、リゾクトニア菌による苗立枯病には有効であるが、その他の菌による苗立枯病には効果が劣るので注意してください。
  • ばれいしょの青枯病に使用する場合、本病の多発する圃場では、登録のある土壌くん蒸剤等との併用処理をしてください。
  • ばれいしょの軟腐病に対しては効果が劣る場合があるので、他剤と輪番使用をするとより有効です。
  • うめ、かんきつのかいよう病に対しては効果がやや劣る場合があるので、他剤と輪番使用をするとより有効です。
  • レタス、非結球レタスに使用する場合、すそ枯病の防除を主体とし、多発生の腐敗病には効果が劣ることがあるので注意してください。
  • だいこんの軟腐病が多発するような条件ではやや効果が劣る場合があるので、なるべく早めの散布をし、他剤との輪番使用をするとより有効です。
  • ばれいしょの種いもに使用する場合は下記の注意を守ってください。
    ①切断した種いもを処理する場合、切断面が乾いた後に行ってください。
    ②種いも散布の場合は、種いもを床などに拡げ、全体が均一にぬれるよう散布してください。
    ③処理した種いもはよく風乾してから植え付けてください。
  • ふきおよびふき(ふきのとう)に使用する場合は、種茎浸漬処理と植え付け後の灌注を組み合わせて使用してください。
  • 本田の水稲に対して希釈倍数300倍で散布する場合は、所定量を均一に散布できる乗用型の速度連動式地上液剤少量散布装置を使用してください。
  • 適用作物群に属する作物またはその新品種に本剤を初めて使用する場合には、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分確認してから使用してください。なお、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましいです。

薬害

  • トマト、きく(秀芳の力等)には薬害を生じるおそれがあるので、かからないように注意して散布してください。

安全使用上の注意

  • 本剤は眼に対して弱い刺激性があるので眼に入らないように注意してください。眼に入った場合には直ちに水洗してください。
  • 使用の際は不浸透性手袋などを着用してください。
  • 公園等で使用する場合は、使用中および使用後(少なくとも使用当日)に小児や使用に関係のない者が使用区域内に立ち入らないよう縄囲いや立て札を立てるなど配慮し、人畜等に被害を及ぼさないよう注意を払ってください。
  • 処理した種いもは食料や動物飼料として用いないでください。

貯蔵上の注意

  • 密栓し、直射日光をさけ、なるべく低温で乾燥した場所に保管してください。
  • 適用内容と使用法
  • 使用にあたって