• 現場だより

まぎらわしい作物名をひもとく② 雑穀類 と とうもろこし

ほとんどの農薬ラベルには「作物名」欄があり、その製品を使ってよい作物が表示されています。
農薬の使用基準は法律で厳密に定められておりますので、万が一にも使う作物を間違うことはできません。

一方「作物名」の中には具体的に使える作物の判別が難しいものがあるのも確かで、弊社の相談窓口にはお困りのお客様からたびたびご質問をいただきます。

そんなまぎらわしい「作物名」についての解説をシリーズでお届けしたいと思います。
第2回は「雑穀類」と「とうもろこし」です。
こちらも具体的にどの作物に使えるかというご質問が多い作物名です。

◆作物名:雑穀類
第1回のうり類(漬物用)と同様、現在の作物分類表からは姿を消した作物名ですが、やはり一部の農薬に作物名が残っております。一般的に認知される「雑穀」と厳密には範囲が異なり、たとえば五穀米の「五穀」に入るとされる豆類はこの作物名に含まれません。一方、重要な穀物である「とうもろこし」が含まれております。以下の分類をご確認の上、適正使用をお願いします。

<雑穀類に含まれる作物>
あわ、きび、ひえ、とうもろこし(子実)、未成熟とうもろこし、アマランサス(種子)、キノア、食用ソルガム、そば、はとむぎ

<雑穀類の適用がある弊社製品例(2025年8月末現在)>
エスマルクDFフローバックDF

 

 

◆作物名:とうもろこし
農薬の作物分類でいう「とうもろこし」とは、「とうもろこし(子実)」と「未成熟とうもろこし」を合わせた作物名です。
「とうもろこし(子実)」とはおもにポップコーンやコーンスターチ用などの完熟したとうもろこし種子(家畜飼料用も含む)を指し、「未成熟とうもろこし」とはスイートコーン等、ある程度まで成熟した段階で収穫する種子を指します。

そのため、同じとうもろこしの名が付くとは言え「とうもろこし(子実)」と「未成熟とうもろこし」は、分類上異なる作物扱いですので、もし製品ラベルにどちらかの作物名しか記載のない場合、もう片方には使えません。

さらに、「とうもろこし」や「未成熟とうもろこし」の作物登録を持つ農薬は、そのままとうもろこしの幼果である「ヤングコーン」にも使えるように見えますが、実は違います。

農薬の作物分類でヤングコーンは「野菜類」扱いですので、ラベルの作物名に「野菜類」もしくは「ヤングコーン」の記載がある製品のみが使えます。
こちらも大変間違えやすいため、製品ご使用にあたってはあらかじめご留意ください。

<とうもろこしに使用可能な弊社製品例(2025年8月末現在)>
アディオン乳剤エコピタ液剤エスマルクDFスミチオン乳剤
パダンSG水溶剤パダン粒剤4パーマチオン水和剤フローバックDF

<未成熟とうもろこしに使用可能な弊社製品例(2025年8月末現在)
ダントツ水溶剤ディアナSCプレオフロアブル
スターナ水和剤バリダシン液剤5
※とうもろこし(子実)には使えません。

<ヤングコーンに使用可能な弊社製品例(2025年8月末現在)>
エコピタ液剤エスマルクDFジーファイン水和剤フローバックDF

<おわりに>
上でも述べた通り、農薬を使う作物は万が一にも間違えられません。もし、判断に迷った場合は遠慮なく取扱メーカーの窓口にご相談ください。

弊社製品に関するご質問は
お客様相談窓口(TEL:03-3663-7947 平日9:00~12:00、13:00~17:00)
もしくは製品お問い合わせフォームにて承りますので、
ご不明な点がございましたら是非、お聞かせください。